こんにちは。
私たちの日常には多くの物が溢れていて、次々へと新しいものが出てきます。
その度に旧モデルは安価で売られることが屡々ありますが、その値引きはあなたが思っているよりも本当にお得な価格なのでしょうか。
初めに下記の画像の値が張りそうな古文書ですが、5000円よりも高いと思いますか。
ちなみにですが、いくらくらいだと思いますか。
・7000円
・3000円
・1000円
もし7000円、もしくは3000円くらいかと思われたのでしたら、それはアンカリング効果によって操作されているのかもしれません。
アンカリング効果とは、物事に対して最初に提示された特徴や数値が基準点となり、その後の意思決定に関わる思考が基準点から離れられなくなる心理現象のことです。
船の錨(いかり)のことをアンカーといい、錨を下した船はその場からなかなか離れることが出来ないことにちなんでいます。
冒頭の本の例でも最初に5000円という数値を出したことで、無意識にその数字から離れられなくなり、比較的近い数字を選んでしまうことが多いようです。
それではなぜそもそも最初の数値が基準点となってしまうのでしょうか。
これは、プライミング効果という心理効果が関係していると考えられています。
プライミング効果は、予め受けた外的要因によって、その後の行動に無意識に影響を与えることです。
例えば食べ物の話をした後に、「赤いものと言ったら?」と質問をすると、先ほどの食べ物の話につられて、「りんご」や「いちご」などの食べ物が想起されやすくなります。
アンカリング効果も、無意識で起こるプライミング効果によって、最初に受け取る情報が影響を与えてしまうと考えられています。
アンカリング効果は私たちの日常に多く存在してます。
例えば、今不動産会社へは、コロナウイルスによって所得の落ちた方たちが、より安い物件を求めて足を運んでいます。
その際の内見時に3か所を回ることになったら不動産会社がアンカリング効果を狙っている可能性があります。
最初に手が出ないようないい物件を案内し、次に条件にまったく合わないような小汚い物件を案内、最後に条件に合うそこそこいい物件を紹介されることが多いかと思われます。
これは3つの選択肢があったら、真ん中位のグレードを選ぶ心理傾向であるゴルディロックス効果と、汚い物件の次にそこそこの物件を見せることで、そこそこの物件でも対比でよく見えるコントラスト効果を狙って成約を画策していると考えられます。
また、ショッピングセンターで買い物をしていると、どのお店でも商品に値札がついているかと思われますが、お得な商品には「〇〇円引き」や「〇〇%オフ」のようなポップがついているかと思われます。
これもアンカリング効果によりお得感を演出していると考えられます。
・税込み1980円
・参考価格2980円からさらに1000円引きで1980円
上記の場合、無意識に本当かどうかわからない参考価格をアンカーと感じ、値引き後の価格を安いと感じます。
アンカリング効果は、たとえ嘘でも売りたい価格より高い価格を提示することによって、本来売りたい価格にお得感を持たせることができます。
高額な商品がこのような売り方をされていたら、相場などを調べ、本当にお得な買い物が出来ているかを確認するのもいいかもしれませんね