こんにちは。
有名な交渉術にドア・イン・ザ・フェイスというものがあります。
営業職やマーケティングに携わる方は既に知っていると思われますが、実際有効性が高く、仕事だけでなく、子育てや私生活にも活かすことが出来るでしょう。
ドア・イン・ザ・フェイスは、本来承諾させたい要求よりも大きな要求をし、あえて断らせてから本来承諾させたい小さな要求を叶えてもらうという心理テクニックであり、譲歩的要請法と呼ばれることもあります。
性格にもよりますが、人は何かお願いを断るときに罪悪感を感じてしまう傾向にあり、「最初の大きな要求は無理だけど、次の小さな要求なら叶えてあげよう」という相手の罪悪感を利用した交渉術とも言われています。
営業マンが「せめてお話だけでも」などのような断られると分かっていても顔を覗かせる行為が名前の由来とも言われています。
ドア・イン・ザ・フェイスが最も多く使われるのは、やはり営業の場だと思われます。
営業職はノルマというものがあるため、必死に成約を目指します。
そのため、お客さんへは本来売りたい物からかなり上の物を提案し、断らせた後に本来売りたい物から少しだけ上の物を提案、最後に本来売りたい物を提示するというように、多段的に断らせていくケースもあります。
何回も断ることにより、より強い罪悪感を感じてしまい、「最後の商品くらいならいいかな」という気持ちにさせて購入に踏み切らせます。
ただし、相手が要求を断ること自体に罪悪感を感じない、守銭奴である場合は成功しないことが多いでしょう。
ドア・イン・ザ・フェイスは営業以外でももちろん有効です。
例えば、子どもに勉強をさせたいお母さんは、本来勉強させたい時間よりも長い時間を提案しましょう。
すると子どもは「そんな長い時間無理!」と不満を漏らすでしょう。
そこでその後に、本来勉強させたい少ない時間を提案してみましょう。
すると「さっきより短いしそれくらいなら」と条件を飲ますことが出来るでしょう。
他にも、恋人や親に何か欲しいものをねだる時も、本来欲しいものよりも、別にいらなくても高いものをおねだりしてみましょう。
その後は同じように本来欲しいものをおねだりすると、買ってもらえるかもしれません。
このように相手に何か要求を承諾して欲しい時は、本来の目標を一番下にし、高い要求から徐々に下げていくようにしてみましょう。
ちなみに小さな要求から、本来の大きな要求に徐々に引き上げていく真逆の手法も存在しています。