こんにちは。
最近渋い俳優さんが主演のドラマにハマっており、相棒や孤独のグルメがブームです。
中でも孤独のグルメは美味しそうなご飯が次々と出てきて、見ているだけでも楽しい気分になれます。
孤独のグルメでは比較的庶民的な料理が多く、高級料理は出てきませんが、演出が上手なこともありとても高尚な料理に感じる話も多くあります。
このように料理とは別の要因により、印象が変わることをクレショフ効果と言います。
クレショフ効果とは、レフ・クレショフが提唱した複数の画像や映像を並べられると、その複数の画像の間に何も関係性が無い場合でも、無意識にその前後関係を連想して、新しい意味を連想してしまう傾向にあるという心理効果です。
複数の映像をつなぎ合わせることで新しい意味が生まれる映画理論の1つである、モンタージュ理論の検証過程で発見された認知バイアスの1つと言われています。
例えば戦車と戦闘機と爆発の映像を並べると、戦争のワンシーンのように感じると思われますが、戦車と戦闘機と博物館の映像を並べると、昔の兵器の展示のように感じるのではないでしょうか。
このように無意識に人は前後の情報に関係性を持たせてしまう傾向にあり、似たような心理効果に文脈効果とプライミング効果があります。
被験者を3つのグループに分け、それぞれのグループに以下の異なる映像を見せて、その映像にどのような印象を抱いたかを調べた。
・スープの映像の後に無表情の男性の映像
・棺桶に入った遺体の映像の後に無表情の男性の映像
・ソファーに横たわる女性の映像の後に無表情の男性の映像
その結果、それぞれ以下の印象を受けたという結果になりました。
・男性はスープを前に空腹を感じているのだろうという印象
・男性は遺体を前に悲しみを感じているのだろうという印象
・男性は女性を前に妖艶さを感じているのだろうという印象
このことから同じ映像でも同時に提示される映像の内容で印象が左右されることが分かりました。
マーケティングにおいて物をたくさん売るためには、商品の品質はもちろん大切ですが、どこに売り込みたいかを絞りこむターゲティングも同じくらい重要となります。
例えばワインを売りたいと考えた時に、広告にワインと生ハムを並べておくことで高級感を演出し、リッチ層に訴求ができます。
逆にワインと共にリビングでの夫婦の食事風景を並べると、家庭でも楽しめるリーズナブルな印象を与えることが出来ることでしょう。
またクレショフ効果は人の印象にも応用することが出来、例えば普段から怖い顔をしていると言われてしまう人は、プライベートで楽しそうにしている写真をSNSに投稿することで、それを見た人から人伝いに伝わり、好印象なイメージを与えられるでしょう。
他にも普段から黒を基調とした無骨な服装をしている人は、ハロー効果も合わさり無骨=怖いという印象が先行してしまい、服だけでなく着ている人にも怖い印象を与えてしまう傾向にあります。
そのため、淡い色のカッターシャツやポロシャツなど、清潔感や爽やかな印象を与えることの出来る服装に変えることで、着ている人の印象も変わることでしょう。
一見関係のないように感じる周囲の情報は意外と関係視される傾向にありますので、少しづつ注意を配るようにしていけたらいいでしょうね。