こんにちは。
皆さんは家から会社や学校に行く途中で、近所のおばちゃんにあいさつをされたらどうしますか。
多くの方は多少小声でボソッとでも挨拶を返すのではないでしょうか。
他にもお歳暮やお中元をもらったらお返しをしたり、バレンタインなんて義理と言い切ってでもお返しをしたりすることが多いことでしょう。
人は基本的に何かをしてもらってばかりいると罪悪感を感じ、お返しをしたいと思う傾向にあり、このことを返報性の原理と呼んでいます。
冒頭で少し触れましたが、人は何かをしてもらったことに対してお返しをしたいと考える傾向にあり、お返しが出来ないことで自分が何かをしてもらってばかりいると、罪悪感を感じることもあります。
また、返報性の原理は朝の挨拶や、プレゼント、手助けなどポジティブなものばかりでなく、嫌がらせなどのネガティブな行いに対しても作用しますので、十分に必要が必要とされています。
返報性の原理は、好意を寄せている相手の真似をするミラーリングに似ており、しばしば一緒に扱われることもあります。
返報性の原理のある行為に対して、何かお返しがしたいという心理を利用して、様々な場面で扱われることがあります。
例えば食品売り場の試食は、一口食べさせてあげるという好意を受けるため、何かお返しをしなくてはいけないと感じてしまいます。
その結果としてその商品を購入するケースが多いようです。
他にも、高額商品を勧めて断られた後に、低額商品を勧めるとお客さんは、高額商品を売ることを諦めて低額商品に切り替えるという相手の譲歩に対して、こちらも譲歩しなければという心理が働いてしまいます。
この返報性の原理を応用した交渉術としてドア・イン・ザ・フェイス・テクニックというものもあります。
返報性の原理を利用して悪事を働く人も残念ながら存在しています。
よくある例として、半ば強引にでも親切な行いをしておき、その後に「お礼は不要なのでお話を聞くだけでも」といい高額な商品を売りつけてこようとしてきます。
さらに先ほどのドア・イン・ザ・フェイス・テクニックを組み合わせることによって、さらに容易に売りつけることが出来るでしょう。
これは若者よりも、独り身でさみしい思いをしているお年寄りに対して、親切心でつけ入るケースが多いようです。
返報性の原理を利用した悪事は、人の善意に漬け込む卑劣な手法ですので、被害にあわないように怪しいと思ったら毅然と断り通したり、すぐに助けを呼んだりして自己防衛に努めるようにしましょう。