こんにちは。
突然ですが、フレーミング効果という言葉を聞いたことはありますか?
言葉自体はそこまで有名ではないかもしれませんが、実例を交えて聞くと意外と身近な効果であることが分かるかと思います。
フレーミング効果は、ダニエルカールマンと、エイモストヴェルスキーの共同研究によって1981年に提唱された、問題や質問の提示の仕方によって、相手の意思決定に影響を及ぼす心理効果のことです。
情報の意味する内容が一緒であっても、表現方法の違いで与える印象が変わり、その後の行動に影響が生じることがあると考えられています。
これは物事を理解するときに無意識に解釈の枠組みを求めてしまう、人の心理を応用したマーケティング術とも言われています。
最初に有名な具体例を1つ提示いたします。
あなたが病気にかかってしまったときに、どちらかを選ぶ必要があるとき、どちらの治療法を選択しますか。
1.90%の確率で病気が治った治療法
2.100人中10人が失敗して命を落とした治療法
内容的には全く同じですが、表現を変えるだけで、1を選択する人が増加しました。
他にも、
1.除菌率99%
2.1%の確率で菌が残ります
などのよくあるキャッチコピーや、
1.持続時間なんと5時間
2.効果は半日ももちません
などなど例を上げましたらキリがありません。
見ていただいてすでにお気づきかもしれませんが、プラス面に注目した場合ポジティブな評価を得て、マイナス面を打ち出したらネガティブな評価となることが多いです。
ただし、マイナス面をあえて打ち出すこともあり、
1.この防犯対策で80%の人が安心です
2.この防犯対策では20%の人が危険なままです
2のように打ち出すことで、この防犯対策をしていない自分は、危険な状態であると感じ、より高価な別の防犯サービスを検討するようになります。
このように必ずしもポジティブな面のアピールがいいわけではなく、場合によってはネガティブな面を押したほうがよいこともあるのです。
フレーミング効果は表現の仕方を変えることにより、相手の行動に変化を与えることがあるとお話ししてきましたが、似たような心理効果であるシャルパンティエ効果と合わせて使われることがあります。
例えば有名な、
1.タウリン1000mg配合
2.タウリン1g配合
この2つがあった場合、前者のほうがなんとなく身体に効きそうな気がしませんか。
基本的に大きな数字を打ち出すことで、たくさん入っている感を感じるため、前者のほうが好まれる傾向にあります。
ただ、これは誰にでも分かりやすい表記にしないと効果が薄く、例えばタウリンの構造式である「H₂N-CH₂-CH₂-SO₃Hが1000mg配合」と書かれていても伝わりにくいと思われます。
そのため、なんとなく身体によさそうという共通認識をもっている、タウリンという表記を使うのが効果的でしょう。
このように内容は同じでも表記の仕方1つで印象が大きく変わることがありますので、消費者においてはこのような心理効果があることを知っておき、冷静に内容を吟味することが大切だと思われます。