こんにちは。
私は幼少の頃ニュース番組の後半にやっていた、正座占いを毎日欠かさず見ていました。
順位が決まっていくまでの演出も面白く、結果も毎日自分にとって当たっている結果が出るため、ある種心酔していたのかもしれません。
ただ、心理学科に入り、大人になっても勉強を続けていると、テレビの占いのコーナーは人間の心理を上手く利用していたことが分かってきました。
バーナム効果は1956年にアメリカの心理学者が心理検査を実施し、本当の検査結果ではなく、予め用意していた検査結果とすり替えて被験者に提示したところ、被験者の多くが自分の診断は適切なものだと感じてしまうことから提唱されました。
このことから、人間は誰にでも当てはまる結果を自分、もしくは星座や干支など自分が属しているグループの結果として提示されると、自分だけに当てはまる結果と錯覚してしまうと考えられます。
他にもバーナム効果の中では、自分が信じていることにばかり目がいき、自分が信じていることに反することから目を背けてしまう確証バイアスも働いていることもあります。
また、バーナム効果は気分が落ち込んでいる時ほど高く働く傾向があります。
例えば、すごく気分が落ち込んでいるときに、予約が1年待ちのよく当たるという占い師に星座や誕生日、職業などを総合的に勘案した結果、「ここから上り調子になる!」、「絶対大丈夫!」などと言われたら、そんな気がしてきませんか。
この様に気持ちが弱っている時ほど、ハロー効果も手伝い、別の何か良い結果に縋りたくなってしまうことでしょう。
バーナム効果は占いだけにしか使えないわけではありません。
例えば、仕事中に「いつも周りをよく見た適切な判断が出来ている」、「いつも正確な資料を作ってくれてありがとう」などの言葉を言われたらどの様に感じるでしょうか。
もちろん嬉しいと感じるでしょうが、それにプラスして「この人はいつも私のことを見てくれている」と感じてしまう人も少なくはないでしょう。
人は自分のことを理解してくれていると思う人に対しては、信頼感や安心感を覚え、心を開く傾向があります。
そのため、意中の人がいる場合や、セールストークの中では、誰にでも当てはまりそうな言葉を選びつつ、相手のことをしっかりと見ていると印象付けることにより、今よりももっと仲良くなれたり、仕事の業績アップも期待できるでしょう。