こんにちは。
私は業務委託の仕事を日々こなしておりますが、比較的ケアレスミスが多い傾向にあり、改善を試みているのですが、度々注意されてしまうことがあります。
容量が悪いだけかと悩んでいたのですが、実はしっかりとした原因があり、その1つとしてワーキングメモリという記憶領域を、上手に働かせることが出来ていないというものです。
ワーキングメモリは認知心理学の概念として提唱され、短期記憶をさらに細分化したものとなります。
予め何かを記憶しておき、別の作業をしている間も最初の記憶を頭のなかに留めておいて、必要になった時に思い出し、その情報を扱うことが出来る能力のことです。
そのためワーキングメモリは、様々な業務を同時進行で行うことの多い現代人にとって、必要不可欠と言えます。
また、ワーキングメモリは度々作業台に例えられ、記憶している情報は作業台の上の物とされています。
作業台が多ければ多いほどたくさんの物を置けて、快適に作業が出来ると思われますが、作業台が小さいと、物があまり置くことが出来ず、無理に置こうとすると作業台から落ちてしまい、その作業のことを忘れてしまうことでしょう。
仕事中急ぎの用事を頼まれ、この急ぎの用事が終わった後に作業を再開しようとしたら、何をしていたかを思い出せないというのは、誰もが経験があるのではないでしょうか。
これもワーキングメモリの機能が比較的低いため、忘れてしまい、すぐに思い出せないと考えられています。
記憶をしたことを忘れやすいという症状を聞くとADHD(注意欠如・多動性障害)やLD(学習障害)などの発達障害をイメージする方もいるかと思われます。
実際に発達障害には、不注意で衝動的な行動や、読字や書字の苦手といった傾向があり、これらはワーキングメモリの機能が低い場合に現れる症状に似ており、何らかの関連があると考える専門家もいます。
ただ実際は、発達障害の診断を受けた子どもは、ワーキングメモリの機能が低い傾向にはありますが、関連づける研究自体はまだありません。
これらの関連性については、今後研究が進むにつれ解明されることでしょう。
脳の機能を鍛えるには筋トレと同様に、脳に負荷をかければいいという考えが多いようですが、逆に脳にかかる負荷を減らしてあげることが大切です。
脳に負荷をかける要因の1つとしてマルチタスクという同時に様々なことを行うことが挙げられます。
事務職でしたらデータの入力ミスがないか確認しながら、データの件数を数えたり、営業職でしたら、クライアントにメールを送り提案書を作成し、その後営業に出かけるなど、1つ以上のことを気にかけながら別の作業をするのは意外と脳に負荷がかかっているのです。
そのため、物忘れなどのケアレスミスを防ぐには、マルチタスクでかかる脳への負担を可能な限り減らしてあげる必要があります。
普段使っているToDoリストや、パソコンに貼ってある大量の付箋は常に目に入ると、常に脳へ負担をかけ続けるため、作業が一区切りしたら見るなどのようにし、脳を1つのことに集中できる状態にすることがパフォーマンスも上がり、ケアレスミスも減らすことが出来、よいと思われます。
ケアレスミスを減らしたいと考えている人は、まずは1つのことに集中できる環境作りを目指してみるのはいかがでしょうか。