なぜカレーの匂いを嗅いだらカレーが食べたくなるのか?
2020.6.21
なぜカレーの匂いを嗅いだらカレーが食べたくなるのか?

こんにちは。

最近温度が上がり、すっかり夏模様となってきましたが、暑くなると祭囃子や花火の音が聞きたくなったり、かき氷や屋台のやたら味の濃い焼きそばが食べたくはなりませんか。

人によってはスイカがよかったり、JITTERIN’JINNの夏祭りが聴きたいなど異なるとは思いますが、これらは無意識のうちに行動が影響を受けている場合があります。

プライミング効果とは

プライミング効果は、予め受けた外的要因によって、その後の行動に無意識に影響を与えることです。

例えば食べ物の話をした後に、「赤いものと言ったら?」と質問をすると、先ほどの食べ物の話につられて、「りんご」や「いちご」などの食べ物が想起されやすくなります。

他にも憧れの仕事の話をした後に同様の質問をすると、「消防車」、「郵便局」など事前の話に関連した内容が多くなる傾向にあります。

これは私たちの脳の構造と関連があり、記憶されている情報は、関連のあるもの同士が結びつき、記憶されていると考えられています。

そのため、食べ物の話をしていたことで、食べ物の記憶が一時的に強く残り、その後の「赤いものと言ったら?」という質問には、記憶が想起されている食べ物の中から選んでしまうのだと考えられています。

プライミング効果に関する実験

あるテレビ番組の実験で、朝の会議中にカレーの匂いを会議室に漂わせて、その日の昼食に影響を及ぼすのかを調べていました。

多くの被験者たちが、「この部屋カレーの匂いすごいですね」のように、認識できるほどに匂いが充満していました。

お昼頃に会議を切り上げ、被験者たちが何を食べるのかを調べたところ、ほとんどの被験者たちは、カレー屋さんに入っていくことが確認されました。

中にはカレーを食べない被験者もいましたが、たまたまカレーが好きではないとのことですので、実質的にほぼ全員の被験者の行動に影響を与えたと言えるでしょう。




2種類の異なるプライミング効果

東京福祉大学で心理学を教えている太田信夫教授によりますと、プライミング効果には「直接プライミング」と「間接プライミング」の2種類があるとのことです。

直接プライミングは刺激と刺激による行動が同じ場合、関節プライミングは刺激と行動が異なるが、関連性があるものである場合です。

先ほどのカレーの例で見てみますと、カレーの匂いを嗅いで、カレーを食べたくなり、カレーを食べたという行動が両方カレーで一致していますので直接プライミングとなります。

逆にカレーの匂いではなく、スパイスの香りや会議中の資料にインドの観光ポスターなどがあり、関連してカレーが想起された場合は、間接プライミングとなります。

先ほどのカレーの例は直接プライミング、冒頭の暑いから夏祭りや焼きそばが食べたいというのは、関節プライミングということとなりますね。

このように人の行動は外的要因で大きく左右されることもありますので、上手に活用して今日の晩御飯を操作してみましょう。

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