こんにちは。
選挙の時の「私が当選しましたら、消費税増税なんてさせません!」、「高校無償化を目指す」、「最低賃金を引き上げます!」などのマニフェストに、皆さんは本気で期待をしたことはありますか?
私は残念ながらなく、これまでの政治家の不祥事の数々や、掲げた公約を達成できなかった政治家を見てきたから、ある種「どうせ今回も無駄」という悪いイメージが付いてしまったのだと考えられます。
それに加え、信用度は情報源に依存するスリーパー効果が働いていると思われます。
スリーパー効果は、居眠り効果や仮眠効果とも呼ばれており、時間の経過とともに「情報の内容」と「情報源」が分離され、「情報の内容」だけが記憶に残る心理効果のことです。
人はもともと情報を提示された時に、情報の内容を吟味する前に、情報源に意識を向ける傾向にあります。
そしてその情報源が信用できると思った場合や好きな場合に、情報そのものを信用し、情報源が信用できないと思った場合や嫌いな場合には、情報そのものを信用しなくなってしまいます。
例えばあなたの大切な家族、友達、恋人が「この商品は凄くいい!」と言ってきたらいかがでしょうか。
「この人が言うならきっとそうなのだろう」と考え、試してみたくなるのではないでしょうか。
逆にあなたにとって嫌いな人間が「この商品は凄くいい!」と言ってきたらいかがでしょうか。
「この人がいいと言ってもな、、」と前者ほど商品に対して試そうとは思えないのではないでしょうか。
このように、情報の判断をする時に内容よりもまずは情報源を重視する傾向にあります。
私にとって情報源として最悪な政治家が情報を発信しているのですから、信じられないのは無理もないのかもしれません。
実際にスリーパー効果に関する実験では、薬の有効性に関して各々が持つ意見とは逆の情報を与え、2群に分けて情報の出どころを開示しました。
1群には有名な学会の研究結果、もう1群にはゴシップ記事であると伝えたところ、有名な学会の研究結果と伝えた群の方が、ゴシップ記事と伝えた群の約3倍の人が自分の意見を変えました。
このことから情報の吟味の時に、情報源が何よりも大切なことが分かります。
ただ、1ヶ月してから再度意見が変わるか確認をしたところ、両群において記事の信用度に差は見られませんでした。
最初に信用度の低かった情報の信用度は上がり、信用度の高かった情報の信用度は下がる結果となりました。
このことから、情報源は時間経過とともに情報から離れ、信用度に差がない情報のみが残ったと考えられます。
スリーパー効果により、情報と情報の出どころは別れ、情報のみが残ることが分かりました。
「あの人が言っていた商品だけど本当にそんなにいいものなのかな?」と高かった情報の信用度は下がり、「嫌いなあいつが言っていたけど、実は商品自体はいいものなのかも」と低かった情報の信用度は元に戻る傾向にあります。
情報は時間が経つことで情報源に左右されない、本来の信用度に戻るということになります。
つまり政治家の演説も時間が経てば、純粋な情報として受け止めることが出来るのかもしれませんね。