分かっているけど止められない!?強迫性障害
2020.6.28
分かっているけど止められない!?強迫性障害

こんにちは。

突然ですが皆さんは、家を出る時に鍵をかけたか、冷暖房の電源を切ったか気になったことはありませんか?

何を突然と思われるかもしれませんが、おそらく誰しも一度はそのような「◯◯したっけ?」と思ったことがあるかと思います。

人によっては、「一応確かめてみるか」と確認に行ったり、「いや、きちんとしたはずだ」と自分を信じてそのまま外出することもあるでしょう。

ただ私は、ある時をきっかに人並み以上に些細なことが気になってしまうようになります。

今回はそんな神経質では済まされないような症例についてみてみましょう。

強迫性障害とは?

強迫性障害というのは、一般的には「家を出る時に鍵をかけたっけ?、もしかけてなかったら空き巣に入られて大変なことになる」のような不安に思う強迫観念と、その不安を解消するために確認に行く強迫行為の繰り返しのことをいいます。

このように考えるだけなら割と一般的だと思われますが、強迫観念の特徴として、自分自身で不合理なことだと思ってもその考えが頭から離れないことです。

例えば、家を出る時に鍵をかけたか不安になり、一応家に引き返してみて施錠を確認し、再度出かけようとします。

ただその後、鍵が閉まっているか確認した時に「もしかしたら開いて閉まったのでないか?」と再度同じような不安が襲ってきます。

「さっきは確認したのに今度確認しなかったらきっと大変なことになる」と不安が強くなり確認せずにはいられなくなります。

そしてこの考えである強迫観念を払拭するために強迫行為が行われます。

初めの頃は2~3回確認をしたら、自分で納得が出来て家を後にできるのですが、エスカレートしていくと、鍵をかけたか不安になる→鍵がかかっているかの確認に行く→鍵をかけたか不安になるのループの回数や確認時間が長くなり出勤時間に遅れそうになるなど日常生活に支障をきたすこともあります。

強迫性障害の一般的な症状について

私が大学時代に調べていたときは下記のような症状があることが分かっていましたが、この症状は十人十色と言われるほど様々で、他にも様々な悩みがあるかと思います。

・不潔に対する恐怖
細菌、ウイルスなどによる汚染や、泥やホコリ、糞便などによる汚れを過度に気にしてしまい、それらがある場所や物を意図的に避けるようになります。

上記などにより自分が汚れたと感じた場合は、自分の納得ができるまで、身体や手を洗い続けて対処をすることがあります。

・加害恐怖
自身が誰か他の人、物に対して被害を加えてしまったのではないかと気になってしまい、その不安が頭を離れなくなります。

新聞やテレビで事故や事件として取り上げられていないか確認をしたり、警察や周辺の人に何度も確認をとったりして対処をすることがあります。

・確認行為
家の鍵や各種電化製品、ガスの元栓などを閉めたかが気になり確認せずにはいられなくなります。

実際に家に引き返し、目視で何度も確認をしたり、手で触ったり、指差し確認をするなどして対処をすることがあります。

・儀式行為
物事を決まった順番で行わないと何かしらの恐ろしいことがおこるという不安から全ての行為を決まった順番で行うようになります。

そして一つでも間違えると最初からやり直さないといけないなどの自分の中でルールが出来てしまい必ずルール通りに行い対処をするようになります。

・数字へのこだわり
例えば4という数字は死を連想させることから一般的には不吉な数字だと言われています。
他にも7はラッキーセブンのように縁起のよい数字と一般的には扱われているかと思います。
ただ、それは一般的にはあくまで験担ぎのような認識ですが、その数字を極端に避けるようになることもあります。

例えば400円の商品は4がつくから買わないや、4階のフロアを避けるなど人により様々な考えがあると思います。

また、これもエスカレートしていくと何かしらの理由が付き、不吉な数字が増えていき、ますます不自由になることもあります。

基本的には自分にとって不吉と感じる数字を避けることで対処をするようになります。

・物の配置へのこだわり
テレビのリモコンや靴の位置や向き、本の並びなどを自分の決めた通りにしないと何か大変なことが起きると不安に感じるようになります。

基本的には自分の納得のいく配置にして対処をします。

他にも様々なものがあるかと思いますが、これらは単体の他に複合しているケースもあります。

私の場合は、不潔に対して過度に恐れ、身体や手を洗う順番、回数も明確に決められていました。

そして一度でも間違えると最初からやり直すようにしていました。

そのため、1日の半分ほどをお風呂で過ごしていることもありました。

このように症状がエスカレートすると日常生活にも支障が出るようになります。




強迫性障害への対応

一般的には薬物療法と認知行動療法というものを組み合わせた治療が多く選ばれます。

薬物療法では、一般的に強迫観念はどの症状においても強い不安感が伴いますので、まずは抗うつ薬のSSRI(セロトニン再取り込み阻害薬)などを服用し不安を和らげていくことが大切です。

ただこれらの薬は、吐き気、嘔吐、便秘、下痢、食欲不振、口渇、眠気、めまい、ふらつき、頭痛などの症状が出るような強い薬ですので、個人の判断で増減はせず医師と相談しながら量を調整します。

認知行動療法では、強迫観念によって引き起こされる強迫行為を我慢する、もしくは強迫行為の回数を減らして対応をすることを繰り返し行います。

これにより強かった不安感が軽減されていき、強迫行為をしなくても大丈夫と考えるようになります。

もちろんはじめのうちは身が引き裂かれそうなほど辛く感じますが、繰り返し我慢するにつれて、「以前我慢できたから今回も大丈夫」のように不安感が薄れていきます。

ただこれらは何度もいうように本当に苦しいものですので、自己判断ではなくカウンセラーや医師の指導のもと行うことを強くおすすめいたします。

この記事で皆様の不安が少しでも解消されましたら幸いです。

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