心的外傷後ストレス障害(PTSD)の原因と対応
2020.5.9
心的外傷後ストレス障害(PTSD)の原因と対応

こんにちは。

先日から解離性障害について調べているうちに、「トラウマ」というキーワード検索を多用する中で、PTSDに関する記事も多く目の当たりにしました。

原因は解離性障害と近しいものがありますが、症状自体は全くの別物で、日常生活への支障も計り知れないものだと感じました。

PTSDとは

PTSDはPost Traumatic Stress Disorderの頭文字をとったもので、日本語訳は心的外傷後ストレス障害となります。

自分では受け止めきれない持続的なストレスの蓄積、もしくは一度に大き過ぎるストレスを感じたあと、1ヶ月以上の精神的不安定による、不安や不眠症状、原因となった場所や物を避ける回避行動、虐待やレイプ、自己の目撃や巻き込まれるなどに関わる追体験を経験することがあります。

中でも多い症状が、ストレスの原因となった出来事の記憶が突然、それも繰り返しよみがえり、強烈な恐怖感、無力感などに支配されるフラッシュバックです。

トラウマ体験が夢に出てくることも少なくはなく、眠ることを恐れて不眠症やうつ病などを併発することも多いです。

また、この時の患者さんは強い精神的ショックを受けており、このショックを和らげる防衛反応として、精神を麻痺させることもあります。

これにより、一部記憶の喪失、様々な感情の消失、物事に関する興味が薄れる、身体がだるいなどの無気力感など、本人にとっては本来望ましくない症状が出ることもあります。

PTSDの原因

前述しております通り、抱えきれないストレスを感じることによる精神的な原因になります。

戦時中の体験や、暴行、交通事故の現場の目撃や巻き込まれる、自然災害を目の当たりにするなどの原因が多く見られます。

他にも親による虐待や、長期に渡るいじめなど長期間トラウマ体験が繰り返されると、より重症、慢性的な症状の発症が現れることもあります。

特に大人になってからのトラウマ体験よりも、子どもの時の辛い経験の方がより記憶に刻み込まれるため、より根深く、深刻な症状となることがあります。




PTSDの治療

PTSDの治療では、PTSDによって生じる諸症状の治療と、PTSDそのものの治療に分けられます。

PTSDが原因の諸症状については、抗うつ薬や抗不安薬、気分安定薬などを使用し、症状の改善にあたります。

PTSDそのものの治療においては、認知行動療法の一つである「持続エクスボージャー療法」を使用することが多いです。

トラウマ体験を避けて回避するのではなく、あえてトラウマ体験の場所や映像を見せたり、イメージさせて、恐怖を体験、克服を目指します。

この治療を通じて患者さんに、「トラウマ体験を思い出しても危険はない」、「怖くない」ということを認知してもらい、克服していきます。

ただ、いきなりトラウマとなった場所に行ったり、思い出したりするのではなく、最初は遠くから眺めるだけにし、次は少し近づいてみるのように、段階を踏んで徐々に慣らしていくことが大切です。

なおこの治療は強迫性障害の治療と通ずるものがありますので、よろしければ合わせて見てみてくださいね。

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