こんにちは。
先日解離性同一性障害の勉強をしている中で、トラウマなどの強いストレスが原因で、記憶障害を起こすこともあるということを知りました。
解離性健忘では、全ての記憶を失うケースもありますが、ストレスの原因となったことだけが思い出せないケースが多い様です。
確かに漫画や映画でも、過去のトラウマにより幼少期の記憶がないなどの設定は多く見られますので、必ずしもフィクションとは言い切れないのかもしれませんね。
健忘とは最近の事や昔に経験した事を全て、もしくは部分的に思い出せない状態のことです。
これとは異なり解離性健忘は前述した様に、自分にとってストレスフルな出来事に関する記憶が失われる傾向にあります。
ストレスの具体的な内容として、幼少期の虐待やいじめ、事故現場の目撃や巻き込まれるなどの体験、レイプや大切な人との死別などが挙げられます。
これらの原因については、他の解離性障害の解離性同一性障害や解離性健忘と通ずるところがあります。
また、記憶は失われていても、その人物のその後の生活に影響が出ることもあります。
例えば、事故現場に遭遇してしまった場合は、その時の記憶がなくてもその場所や事故の原因となった乗り物の多い場所を避けたり、レイプによる場合は、男性がいる場所を無意識に避けてしまい生活に支障がでることもあります。
記憶障害が起きた直後は、動揺を隠せない人もいたり、苦痛を感じる人もいたり、全く無関心な人もいたりと、この症状が出たら解離性健忘の明確なサインというものがなく発見が遅れることもあります。
患者さんの近しい人が、患者さんの発言と実際の結果に矛盾があったりし、初めて記憶が抜けていることに気づくこともあり、発見が遅れ、対応が後手に回ってしまうことも多いようです。
基本的には、カウンセリングを通して、自分が抱えるトラウマ体験を思い出し、その体験が記憶にあっても大丈夫な様に心の葛藤の解決に向けて進みます。
患者さんが記憶の欠落でさらなるトラウマや不安感を感じてしまわない様に、安心して過ごせる空間で、信頼感を築きながら支援をしていきます。
ただ、全ての人が記憶の再構築をし、心の葛藤を解決できるわけではなく、失った記憶を取り戻せない人もいます。
そのような人には、催眠療法や薬物療法を使用し、記憶の壁を崩し、記憶の想起を目指します。
ただし、これらを含む心理療法での記憶の想起は、必ずしも正確な訳ではなく、間違った記憶の再構築をしてしまうこともありますので、過去の記憶に関する証拠を用意し、慎重に判断をする必要があります。