第一印象が全てを決定するとは限らない【初頭効果と親近効果】
2020.4.30
第一印象が全てを決定するとは限らない【初頭効果と親近効果】

こんにちは。

初対面の人と接する時に「第一印象が大切」と言われた経験は多くの人があるかと思います。

これは心理学的に証明されていて、人は最初に受けた印象がその後の評価に大きな影響を与えるというものです。

ただ、これと対となる後半の印象が強く残るというものもあり、結局どちらがいいのか悩んでしまうこともあるでしょう。

ただこれらには明確な使い分けがあるようです。

初頭効果とは

初頭効果とは、ポーランドの心理学者が行なった人の印象による実験で提唱されました。

人の性格に関する形容詞を並べ、その順番によって印象がどの様に変化するかを調べたところ、提示する内容は同じでも、最初に「明るい」、「優しい」などのポジティブな単語を並べた方はポジティブな印象を抱き、最初に「暗い」、「短気」などのネガティブな単語を並べた方はネガティブな印象を抱く結果となりました。

このことから同じ内容であっても、人は最初の印象に後の評価が左右されることが分かります。

子どもの頃に言われていた「第一印象が大切」というのは間違いではなく、初対面ではいかにポジティブな印象を与えらえるかが大切になります。

親近効果とは

親近効果とはアメリカの心理学者が行なった、模擬裁判に関する証言と結果の相関の実験で提唱されました。

これは裁判における証言で検察、弁護側が交互に証言をする場合と、交互ではなくどちらもまとめて証言をした場合で、結果に影響が出るかの実験を行いました。

結果、まとめて証言を行なったパターンでは、検察、弁護側どちらの場合でも最後に証言をした方が勝利をするという結果になりました。

このことから人は複数の情報を元に判断するときは、最後の情報に左右される傾向があるということが分かります。




結局どちらを優先したらいいのか

それぞれの実験により、最初と最後の印象がどちらも大切ということが分かりましたが、実際の生活の中ではどちらを優先したらよいのでしょうか。

例えば多くの選択肢から選ぶ会社のコンペや、重役へのプレゼンテーションなどにおいては、初頭効果を使用し、最初にいいイメージを持たせておくのがよいでしょう。

コンペであれば多くの企業から選ぶ訳で、最初に長々と説明をしても関心が薄れ、最後まで聞いてもらえない可能性もあります。

そのため最初に好印象となる話題を出し、興味を引き付けてから詳細を話していくのがよいと思われます。

自社プレゼンでも同様に、重役は常に時間がなく興味がないと判断したら直ぐに切り上げてしまうこともあるので、やはり最初にインパクトを与えるのがよいでしょう。

一方、自身に初めから関心が向けられている場合は、親近効果を利用するのがよいと思われます。

初めに大切な情報を提示せずとも、関心は常に自分に向いているので、最後の最後にインパクトを与えて印象に残すことが効果的と考えられます。

プレゼンなどにおいては、少しずつこちらに興味を引き付け、最後にもっとも大切な情報を提示し相手の印象に強く残すことが有効でしょう。

まとめますと、自身に関心がない場合は初頭効果、関心がある場合は親近効果を使用するのがよいと考えられます。

この記事がいいと思ったらぜひシェアをお願いします