こんにちは。
皆さんはナルシストと聞いて何をイメージされるでしょうか?
「自分のことをかっこいいと思っている」、「自分大好き」、「鏡の自分に話しかけている」など様々なイメージを持っているかと思います。
この程度でしたら社会生活に特に問題もなく、少し変わっている程度で済まされるかと思います。
ただエスカレートすると、社会生活に支障をきたすこともあります。
人により現れ方も様々で一概には言えませんが、共通して言えることが、自分が偉大で重要な人物でなければいけないという考えを持ち、現実の自分と理想の自分とのギャップにストレスを感じ、正しく自身を愛することが出来ない状態です。
自分と相手を常に順位づけしようとし、自分の中で勝っていると認識できる場合は平穏ですが、負けていると認識されたときは、不満を漏らしたり、攻撃的な態度になったりと、相手を傷つけてしまうこともあります。
また、自分のためなら他のことは意に介さないような思考を持ち合わせていることもあり、こうなってくると他者との円滑なコミュニケーションを取るのが難しかったり、社会生活にも影響をきたすようになります。
自己愛性パーソナリティ障害の人は以下のような「3つの自己」を持っているといわれています。
・誇大化させて形成された尊大で傲慢な自己
・自分は劣っている人間だというイメージを持った自己
・奥底に隠れている本当の自己
この3つの自己の偏り具合で、さらに下記の2パターンに分かれると言われています。
・周囲を気にしない「無自覚型」タイプ
自分は特別で偉大な人間だと思い、自分の思い通りにならなかったり、他人から責められたりすると過度に怒ります。
基本的に傲慢で、自己中心的な考え、常に自分が物事の中心にいないと気が済まない、他人の気持ちは気にならないなどの特徴もあります。
・周囲を過剰に気にする「過敏型」タイプ
自分は偉大で凄いという理想の自分がいますが、実際の自分とのギャップに落ち込み傷ついてしまう傾向にあります。
「本当の自分は凄い」という考えがあるため、ギャップに傷つくループが続いてしまいます。
内気な性格な人が多く、他人の評価が人一倍気になり、その評価についても人一倍敏感なところもあります。
また無自覚型タイプと異なり、注目を浴びることを避ける傾向もあります。
基本的には薬物療法と認知行動療法を併用した治療が用いられます。
薬物療法では、抗うつ薬や抗不安薬などを使用します。
ただ、薬物療法メインというよりは、認知行動療法の補助として扱われることが多いです。
認知行動療法では、自身の認識や行動の偏りに気づき、少しずつ望むべきものへと修正していきます。
内容に関しては個々のカウンセラーの判断によるところが多く、統一のガイドラインはありません。
また、カウンセラーと患者さんの一対一だけではなく、他の患者さんとグループワークを通して、他の患者さんの問題点に気づき、自身に当てはめて自分では気づくことが出来なかった問題点の認識や、社会性を養うために使用されることもあります。
自己愛性パーソナリティ障害の原因は諸説ありますが、有力なのは自己愛の未熟さだと言われています。
これらの治療を重ねることにより、自己愛の未成熟さは成熟に向かうこともあるといわれていますので、自分に当てはまると思った方は一度自分自身を正しく見つめて見るのがよいでしょう。