こんにちは。
コロナ騒動の初期の頃にティッシュやトイレットペーパーなどの紙製品が供給不足になるというデマが出回り、スーパーやドラッグストア、コンビニなどからこれらの商品が姿を消したのはまだ記憶に新しいことでしょう。
ネットオークションではこれらの商品が高値で売られており、またそれらを買う方々もいることから相当切迫した状態だったことでしょう。
そしてまた、東京都の緊急事態宣言に伴いスーパーやコンビニからこれらの商品が姿を消そうとしています。
ことの始まりは、ティッシュやトイレットペーパーなどの紙製品を製造している中国の工場がコロナウイルスの影響でマヒし、日本への輸入量が減少するというウワサが流れたことにあります。
その情報を受け何が正しく、何が間違っているのかの情報の選別を正しく出来ない方々が、誤った情報に流されて買い占めをしてしまったことにより供給が追いつかなくなったことが大元であると言われています。
ただ、買い占めをした人たちが必ずしも悪いわけではなく、デマを流した人々、ならびに品薄に乗じて高額で転売しようと買い占めを行った者たちに数多の責任があります。
買い占めは部分的には経済学の「ゼロ・リスク・バイアス(zero risk bias)」と似ている行動であり、これは、代替案や代替品があるリスクの大幅な削減をもたらす場合であっても、人々はあるリスクの完全な排除を好む」傾向のことです。
ある研究の例として、化学物質による汚染の確率が99%のものと1%のもでは同じくらいの恐怖を感じることが証明されております。
このことから、人は限りなく0に近いリスクでもリスクが0でなければ、「もしかしたらその少ない確率が自分に当たるかも」と安心感を感じることが出来ません。
そのために「トイレットペーパーやティッシュがなくなって困ってしまうかもしれない」という不安を取り除くために、買い占めを行い安心感を得るのです。
また、多少高額を使ってでもこれらの商品を手に入れようとするのも、お金<安心感を得たいという欲求の強さが勝ってしまっているから起きると考えられています。
ネット上では本当に今、必要な物資がなくて困っているという声も多く、買い占めによる被害が及んでいるのが見て取れます。
ただ、買い占めをする人の心理状態では、「とりあえず自分にリスクがなければよい」というものですので、他人への迷惑を考えることは難しいでしょう。
仮に考えることが出来たとしても、自らの安心感を得たい欲求が勝ってしまいますので、やはり買い占めは止まりません。
多くの店舗で実施している「お一人様一点」のような対応も時間をあけて買いに来たり、家族で一人ずつ買われたら対応のしようもありません。
期間的でいいので、全国民ID管理制にして、買い物の際にトイレットペーパーの本日の購入数や家族内での購入者はいないかなどを把握できるようにして、均等に分配するのが理想的なのですが、やはり現実的ではないですね。