こんにちは。
社会生活において、一般のサラリーマンの方は月曜日の朝が一番憂鬱ではないでしょうか?
おおよその人は、月曜日の朝から金曜日の夜まで5日連続会社へ足を運び、働く必要があるためです。
ただ、この憂鬱とは違い「死んでしまうかもしれない」という感情を抱くこともある人がいます。
名前から予想して広いところが苦手な病気と考える人も少なくはないと思われます。
十人十色の症状ですので、必ずしも間違っているとは言えませんが、半分正解といったところです。
というのも前述した通り様々な場所に対して恐怖心や不安感を感じるからです。
ただ、場所について共通している点があり、人が多い場所や直ぐにその場を離れられない場所であることが多いです。
そのような場所にいると、「死んでしまうかもしれない」という恐怖心や強い不安感に襲われ、その場所に対して「また同じような体験をするのではないか」という不安感からその場所を避けるようにもなってしまいます。
そして、その不安に感じる場所は1ヶ所とは限らず、症状が悪化するにつれ増えていくこともあります。
自分の行ける場所が減り、外出を恐れるようになり、家に引きこもることもあり、塞ぎ込んでしまいうつ病を併発するケースもあります。
私の場合は「死んでしまうかもしれない」という恐怖心よりは、「この場所にいたらトイレに行けなくて粗相をしてしまい社会的に死ぬ」という恐怖を外では常に感じています。
前述した通り、「人が多い場所や直ぐにその場を離れられない場所」が多い傾向にあります。
・公共交通機関(電車、バス、タクシー、飛行機、船)
一般的に一度扉が閉まってしまうと直ぐに外に出ることはできません。
そのため、「過呼吸を起こしたら、そのまま死んでしまうのではないか」、「誰にも助けてもらえないのではないか」と強い不安を感じてしまい、これらの交通手段を避けるようになります。
また、電車でも各駅停車は大丈夫だけど急行はダメや、言えば直ぐに降りることができるタクシーでも渋滞などに巻き込まれたら簡単には脱出できないから無理というように同じ公共交通機関でも、考え方や様々なケースにより可否があります。
・閉鎖的な場所(お店、劇場、映画館)
お店や劇場、映画館においても一度入ってしまったら、なかなか出られないという考えで悩まれる方はいます。
中でも劇場や映画館では「多くの人が楽しんでいる中で倒れてしまったら迷惑をかけてしまうかもしれない」、「変な注目を浴びてしまうかもしれない」、といった死とは異なる不安を感じることもあります。
また座る位置においても通路側よりも真ん中の方が恐怖を感じる傾向にあります。
一旦席を立って座っている人の前を避けながらの移動で、直ぐには出ることができませんので、より強い不安を感じます。
他にも自分がどのような場所か知らない場所、人が一切いなく、建物も近くにない自然公園などの広場、長い橋の真ん中らへんなど、人により様々な場所に対して恐怖を感じることがあります。
広場恐怖症の原因は様々なものがあげられていて、もっとも高いものは遺伝的要因であるという研究結果も出ています。
他にも同じような場所で犯罪に遭遇した、災害に巻き込まれたなどの過去のつらい経験や、悲観的や内省的な性格、アルコールやタバコの量といったものまで、様々な原因が考えられています。
広場恐怖症の改善について、持続的に不安や恐怖を引き起こすものですので、自然に治るというケースはとても少ないです。
そのため、薬物療法、認知行動療法、暴露療法などを用いて改善に当たることが多いです。
・薬物療法
うつ病の治療でも効果を発揮しているSSRI系(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)の抗うつ薬が用いられています。
これにより脳内の神経伝達物質の働きを改善し、不安感を抑える効果が期待されます。
・認知行動療法
カウンセリングによって、思考を本来望むべき方向へ修正していき、これに伴い行動も望ましいものへと修正されていきます。
広場恐怖症では特定の場所へ恐怖を感じ、特定の場所を避けるようになりますが、その思考に至る過程をつきとめ、心理的教育により少しずつ改善を試みます。
恐怖を感じる思考に至ることがなければ、特定の場所を避ける行動は収まるようになります。
・暴露療法
特定の場所に対して恐怖を感じる広場恐怖症では、実際にその場所へ身を起き、不安を経験し、その場所に次第に慣れていこうとするものです。
これは段階的に行うもので、例えば電車に対して不安や恐怖を感じる場合は、写真を見ながら乗っている状態を想像してもらったり、遠くから眺めてもらったりと比較的軽度なものから開始します。
そして軽い段階で不安や恐怖を感じなくなったら、実際に乗ってみて、1駅先まで乗る、それが出来たら2駅3駅と増やしていきます。
見ての通り荒療治とも言われることがありますが、場所と状況、その人の考え方によっては高い効果が期待できます。
医師の指示のもとこれらの治療法を組み合わせることが効果的なため、もし同じような症状で悩んでいる方がいましたら、自然に治るのを待たずに、一度相談してみるのがよいでしょう。