通常価格に戻った時の心のモヤモヤの原因【クレスピ効果】
2020.8.15
通常価格に戻った時の心のモヤモヤの原因【クレスピ効果】

こんにちは。

私はメルカリが大好きで、毎日暇さえできればメルカリに張り付いています。

お気に入りの商品も見つかり、いつか買おうとお気に入りに入れていて、数日後ふと見てみたら価格が上がっているということはよくあることです。

説明文を見てみると「◯/◯まで値引き」や、「キャンペーン期間中」などの記載もあり、期間がすぎたから通常価格に戻ったのだろうと思われます。

しかし、一度下がった価格から上がった商品を買うのは、なぜか抵抗を感じませんか。

これはクレスピ効果という心理効果が原因でモヤモヤを感じているのかもしれません。

クレスピ効果とは

クレスピ効果は、アメリカの心理学者であるクレスピにより提唱された、報酬量の変化によってモチベーションが変化する心理効果のことです。

学生のアルバイトでも社会人の仕事においても必ずお給料の指針というものがあるかと思われます。

時給1000円や月給20万円など働き方により異なりますが、この金額が上がればこれまで以上に頑張ろうと思えますし、下がればやる気が失われてしまうことでしょう。

特に報酬がマイナスとなった時のモチベーションの低下は深刻であり、同じモチベーションを保ったまま働くことは難しいでしょう。

コロナウイルスの影響もあり、お給料の削減をする企業もあるかと思われますが、従業員のモチベーションの低下や、これに伴うパフォーマンスの低下についても考える必要があるでしょう。

クレスピ効果に関する実験

心理学者のクレスピは2匹のネズミと、ボタンを押したら餌が出る仕掛けを施した飼育箱を用意して、報酬率と行動に関する実験を行いました。

なおこのネズミたちにはオペラント条件づけを用いて、ボタンを押したら一定量の餌が出ることを予め学習させています。

このうち片方のネズミの飼育箱にはボタンを押したら常に一定量の餌が出るようにし、もう片方のネズミの飼育箱には何度かボタンを押して餌を出すと、出てくる餌の量が少なくなるようにしました。

その結果、一定量餌が出る飼育箱のネズミは変わらずボタンを押していましたが、餌の量が減少する飼育箱のネズミはボタンを押す頻度が減ってしまい、最終的にはボタンを押すこともなくなりました。

餌の量を元に戻しても行動は元には戻らず、行動を戻すためには、以前よりもより多くの餌を出す必要がありました。

このことから報酬率と行動は密接に関係があり、報酬率が下がるとその後のモチベーションにも影響を与えることが分かりました。




クレスピ効果とキャンペーン価格

冒頭でお話ししました、お得な価格から通常価格に戻った時のモヤモヤは、安く買えるというある種の報酬が消失したことにより起きるクレスピ効果と言えるでしょう。

様々な企業でもセールやキャンペーン価格と打ち出していますが、ネズミの実験でも分かる通り、一度下がった価格から元の価格に戻しても、購入者は元には戻らず、それ以上の値下げをしないと購入には至らないことも考えられます。

もちろん生活必需品やポイント還元など付随する諸条件にも左右されますが、値下げという行為は皆様が想像する以上に重大なことであり、慎重な対応をしないと後々の行動にも影響を及ぼす恐れがあります。

少なくとも私は長期的なキャンペーン価格を体験してしまったら、たとえ差額が数十円でももう定価では買うことは出来ないと思います。

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