こんにちは。
私が通っている事務所から駅までの間に大きな家電量販店があるのですが、週末ともなると様々なイベントをやっていて活気に満ちています。
中でも「とりあえず抽選のガラガラだけ回しませんか?」みたいなものは、なんの脈絡もなくいきなり過ぎて戸惑ってしまった記憶があります。
ただ今にして思えば、とりあえずガラガラはイーブン・ア・ペニー・テクニックを狙った上手い商法だったのだと思われます。
イーブン・ア・ペニーを直訳すると、1ペニー(日本円で1.5円ほど)だけという意味で、元々は募金をしてもらう時に少額でもいいからお願いしますのような意味合いで使われていました。
しかし、そのようなお願いをされて本当に1ペニーだけ入れる人は少ないと思われ、お釣りでもらってポケットに入れっぱなしだった10ペニーや50ペニーをそのまま入れることも少なくはないでしょう。
このことから、あまりにハードルの低いお願いをすることで、相手に承諾してもらいやすくするというテクニックの意味で使われます。
また、前述のようにあまりに低い条件を提示すると、相手に要求以上のことをしてもらえることも少なくはなく、比較的使いやすい交渉術であると言えます。
イーブン・ア・ペニー・テクニックは、ハードルの低いお願いをすることで、相手に承諾してもらいやすくするというテクニックとお話いたしましたが、前述の家電量販店のガラガラも同様に、すごくハードルの低いお願いだったのだと思われます。
また、ガラガラの後に「ちょっとお話だけでも」と営業に移っても、ガラガラで粗品をもらったことにより、人が持つ返報性の原理が働き、「話くらいなら」という気持ちで席に座ってしまうことでしょう。
また、断られた場合でも「3分だけでもいいので」や、「話を聞くだけで契約などは結構ですので」のように切り出されると、イーブン・ア・ペニー・テクニックが働き了承してもらえることが多いでしょう。
どうやってもガラガラを回した時点で店員側の思惑通りということですね。
イーブン・ア・ペニー・テクニックは営業で使われることが多いですが、人付き合いにおいても効果的です。
相手との関係性にもよりますが、気になる人をいきなり遊園地に誘うのは、ちょっとハードルが高いと感じませんか。
それよりもグッとハードルを下げて帰りに飲みに誘ってみたり、それでもハードルが高く感じる場合は、終業後「お仕事のお話をしたいのですが、、」と切り出せば、どの提案よりも自然でハードルが低く、コーヒー片手に気になる方と距離を縮めることが出来るでしょう。
営業にも対人コミュニケーションにも応用が可能なイーブン・ア・ペニー・テクニックは覚えておいて損はないと言えますので、ハードルの低いお願いを心がけてみましょう。