こんにちは。
私の通っていた大学は、そこまで評判も良くなく、学科によっては不良がそのまま上がって来たような人たちも多くいました。
そのような人たちと同じ講義を受けると、決まって教室の一番後ろで私語をはじめ、先生をはじめ真面目に受けている生徒に対して迷惑をかけ始めます。
一般的な感覚の人ならまだしも、ヤンキー上がりの騒いでいる人に「静かにしてください」というのはあまり効果がなく、聞き入れてもらえないことも屡々ありました。
そんな時は先生が講義を止め、一言も話さないようになると私語がピタッと止み、静かな教室に戻ります。
これはサイレント・フォーカスといい、話の中で不自然な沈黙を作ることで、相手の関心をこちらに引き寄せることが出来るという心理効果です。
サイレント・フォーカスは、話の中であえて不自然な沈黙を作り出すことで、相手の興味をこちらに向けさせる心理テクニックです。
今まで話していた人が急に黙ってしまったら、「え?どうしたの?」、「何か話すんじゃないの?」と話し手に対して思い、注目をする傾向にあります。
冒頭の講義においても、今まで一定の間隔で話していた先生が急に黙ってしまうと、多くの生徒の中でも、私語をして講義を妨害していた人たちは特に不安を感じ、静かになります。
サイレント・フォーカスは様々な場面で使われますが、特に商談時の営業トークで高い効果を発揮します。
売れない営業マンと売れる営業マンの違いに沈黙の使い方があると言われており、売れない営業マンほど沈黙を嫌がる傾向にあります。
沈黙に対して不安を感じるのは話し手である営業マンだけでなく、聞き手であるお客さんも同じことです。
この沈黙に対する不安感を上手く利用すれば、相手に話させることも、あなたの話に集中させることもできるので、営業マンから積極的に沈黙を破るのは得策ではありません。
もちろん終始沈黙ではただただ重苦しい雰囲気になってしまいますので、ここぞという時である、価格の提示時や契約の有無に対するこちらの質問時に使うのがよいでしょう。
相手は沈黙に耐えきれず、返答を急いでしまったり、話を繋ごうと何かしらの質問をしてくれることが多いので、こちらは余裕を持って対応をするだけで、「質問をする側」と「答える側」という商談時の上下関係を簡単に構築出来るでしょう。
ただ話すだけが営業ではなく、黙るというのも商談では大事なテクニックになりますので、話の緩急を使い分け、上手に話を進めていきましょう。