同じ物でも全く別の価値が!?文脈効果と商戦のお話
2020.7.1
同じ物でも全く別の価値が!?文脈効果と商戦のお話

こんにちは。

夏真っ盛りで毎日暑いですが、皆さんはどのようにお過ごしでしょうか。

私はそろそろ始まるであろう夏祭りや花火大会の情報を眺めながら、人混みがすごくなりそうだなっと思いを馳せています。

ちなみにですが、夏祭りと言ったら皆さんは何をイメージされますか。

多くの方は、花火に出店、浴衣などだと思われます。

その中でも出店と言ったらどのような物を思い浮かべるでしょうか。

焼きそば、たこ焼き、かき氷、りんご飴、わたあめなど様々なものがあるかと思われますが、普段の生活でこれらのものを食べようと思ったりするでしょうか。

焼きそば、たこ焼きならまだしも、「あーりんご飴食べたいなー」と考える人はなかなかレアだと思われます。

何が言いたいのかというと、つまりお祭りという付加価値がりんご飴を食べたいと思わせているだけで、本心からりんご飴が食べたいと思っているわけではないことが多いということです。

これは、前後の刺激や環境によって、対象の知覚に影響を与える文脈効果という心理が働いていると考えられています。

文脈効果とは

文脈効果は、1955年にアメリカの認知心理学者であるジェローム・シーモア・ブルーナーが提唱した、知覚・言語・認知・記憶に関する概念であり、その前後関係から対象となる刺激の知覚過程が影響を受ける効果と言われています。

もう少し簡単に言いますと、対象となる物とは別の要因で、その対象の感じ方や意味合いが変化することがあるということです。

例えば全く同じケーキでも、磁器の器に乗せてあり、銀食器のナイフとフォークが添えてあったらなんとなく高いお店の物に感じませんか。

逆に紙皿とコンビニでもらえるようなプラスティックのフォークが置かれていたら、「今そこで買ってきたケーキ?」と思われても不思議ではないでしょう。

このように同じものだとしても、その周りの環境によって見え方や感じ方は変化すると考えられています。




文脈効果とマーケティング

文脈効果は度々マーケティングの現場でも使われていることがあります。

例えばビールの中でも比較的有名なキリン一番搾りは、350ml缶で200円前後で売られていることが多いですが、6月の初めから半ばあたりまでは、1本あたり400円で販売されていることもありました。

しかし倍以上の値段がついているにも関わらず、売れているようで、在庫切れを起こしていることもありました。

これは父の日前のため、需要が上がり、多少値上げをしても売れると考えての値上げだったのだと考えられます。

このように、ビールにも父の日というブランドを付加することにより、価値が高くなります。

同様にクリスマスのチキンやケーキ、年末のお蕎麦、バレンタインやホワイトデーのチョコレートなども、付加価値により価値が高まるのだと考えられています。

ちなみに1人を極めつつある私は基本的にどれとも無縁のため、商戦で賑わっているのを「頑張れー!」という気持ちでいつも見守っています。

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