こんにちは。
会社員時代は歓送迎会、花見、年末年始、プロジェクトの成功など様々な理由を付けて飲み会が開かれていました。
飲み会といえば、ざわざわした会場の中で様々な人たちの会話が飛び交っているイメージですが、そんな中でも自分のことが話題に出た時はなぜか気づくという経験がありました。
これにはカクテルパーティー効果という人間の脳の働きが関係しています。
これは1953年にイギリスの認知心理学者が提唱した、人は音声の選択的聴取を無意識にしているというものです。
雑音の中にいても自分に必要な情報だけを抽出し再構築することが出来ることから、パーティーの中の雑音の中でも、自分が呼ばれたことが分かることに因んで、カクテルパーティー効果と呼ばれています。
日常生活の中では、例えば通勤通学の電車の中で寝てしまっても自分の降りる駅では「ッハ!?」っと起きることができるかと思います。
これも電車のアナウンスで自分にとって重要な駅名がアナウンスされることにより、反射的に起きることができると考えられています。
カクテルパーティー効果は自分に必要な情報を聞き取るだけではなく、人間関係の構築にも効果的であるとされています。
これはアメリカの心理学者が行なった実験で、男女に15分間会話をさせ、その中で相手の名前を積極的に呼ぶパターンとそうでないパターンに分けて、相手に対する友好性について検証しました。
その結果、相手の名前を読んだパターンの方が友好的な印象を抱く結果となり、仲良くなりたい相手との会話においては、可能な限り相手の名前を呼びながら会話をした方が良いことが分かりました。
「カクテルパーティー効果」は「選択的注意」とも呼ばれ、聴覚だけでなく、視覚などにも影響することが分かっています。
これは人は意識した物事を無意識のうちに抜き出す傾向にあるということです。
有名な実験としてまずは下記動画の白のチームがパスをした回数を数えてみましょう。
これの大切なことはパスをした回数ではなく、パスをした回数を数えようと、白のチームにしか意識がいかなくなったことです。
実際に黒のチームには目もくれなかったのではないでしょうか。
そのため、黒いクマが突然画面内に出てきても気づいた方は少ないのではないでしょうか。
この様に人の脳は意識を向けないと気づけなかったり、聞こえなくなったりすることもあります。
日々報じられる自動車事故のほとんどは、誤操作やよそ見運転などだと思われますが、スマホなどのよそ見運転により、注意が散漫、意識を歩行者に向けなくなることで、カクテルパーティー効果が起こるとも考えられておりますので、車に乗る人はより一層の注意が必要になってくることでしょう。