元気なのにうつ病?理解が得られづらい躁うつ病
2020.4.11
元気なのにうつ病?理解が得られづらい躁うつ病

こんにちは。

先日下記にて気分の落ち込みが続いたらうつ病の疑いがあるとお話しいたしました。

確かに「最近なんか楽しくない」、「眠れない」、「不安感がある」という状態が2週間も続くようであればうつ病を疑ったほうがいいかもしれません。

ただ、必ずしも元気があるからうつ病ではないとは言い切れませんので、気分の落ち込みがなくても下記の内容に該当する場合は注意が必要かもしれません。

躁うつ病とは

うつ病においては、強い不安や無気力感、不眠や意欲の低下などに常に襲われており、基本的には元気な様子とは真逆の印象を抱かれると思います。

これとは反対に躁うつ病においては、上記のようなうつ状態と活動的な躁状態を繰り返し起こします。

躁状態では、自分でも不思議なくらいに気分が高揚し、周囲の様々な人に話しかけたり、ほとんど眠らずに活動するなど異常に行動的になります。

人によっては自尊心が異常に高まり、周囲の人を困惑させたり、トラブルに発展してしまうケースもあります。

躁状態においては当人は気分が良い状態ですので、病気の自覚がなく診断、治療開始までに時間がかかってしまうこともあります。

一方うつ状態では、うつ病と同じように無気力感や意欲の低下、不眠や逆に眠すぎてしまったりという症状が見られます。

躁状態の自分の行動を鑑みてひどく落ち込んでしまい、死んでしまいたくなるような気分に押しつぶされそうになってしまうこともあります。

また、基本的には躁状態よりもうつ状態の方が期間が長い傾向にあります。

躁うつ病の診断は難しい

前述のように落ち込んだ気分のうつ状態と気分が高揚する躁状態が繰り返し現れ、躁状態では自分が病気だとは考えることが出来ず、精神科や心療内科を訪れるタイミングはほぼうつ状態の時となります。

そのため、躁状態については見落とされることもあり、うつ病と診断をされることもあります。

もちろんカウンセラーさんは躁うつ病も視野に入れ慎重にカウンセリングをしますが、患者さんも日頃の様子をしっかりとお伝えできるように家族や親戚など患者さんのことをよく知る人たちと同伴し、正しい診断、治療に当たれるように互いに協力していくのが望ましいと考えられます。




躁うつ病への対応

主に薬物療法と認知行動療法を組み合わせて行われますが、このうちメインとなるのは薬物療法となります。

薬は主に気分安定薬と抗精神病薬を使用し、気分安定薬は躁状態とうつ状態の症状の改善に効果的とされています。

一方抗精神病薬は、気分安定薬と併用することにより躁状態の治療に効果が期待されます。

薬物療法がメインではありますが、症状の緩和、再発を防ぐために患者さんの生活の質の改善方法や、ストレスとの上手な付き合い方、ストレスからの回避の方法などの心理教育を施すこともあります。

うつ病と異なり、躁うつ病では自分でも驚くほど元気な時期があり、治療中も途中で治ったと錯覚してしまいがちですが、単に躁状態が現れているだけのことが多いため、薬は途中で辞めずにカウンセラーさんの指示にしっかりと従うようにしましょう。

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