こんにちは。
皆様は人を好きになるきっかけはどのような時でしょうか。
部活動で活躍しているところを見た時、話していて面白いと感じた時、優しくされた時など様々な状況があると思われますが、中でも優しくされた時の好意については自尊理論が働いている可能性もありますので、注意が必要です。
自尊理論は、アメリカの心理学者であるE・H・ウォルスターによって提唱された、人は怒られたり、ショックなことがあったりして落ち込んでいる時ほど、他人を好きになりやすいという心理効果です。
自身に対する評価が下がることで、相対的に周りの人が評価の高い人に思えてしまい、そんな時に優しく接してもらうと簡単に相手の評価も上がり、好きになってしまう傾向にあります。
失恋した友達を慰めていたら、惚れられていたという話も多いことから、失恋などで傷心中の人は比較的惚れやすい状況であると考えられています。
傷心中は落とし時のような話も出回っていましたが、意外と信憑性がある方法だと言えるでしょう。
女子学生を2つのグループに分け、自尊心の高低により人への好意はどのように変化するのかを調べました。
実験者は被験者に対して性格診断のテストを実施し、結果が出るまで別室で待機するように伝えます。
待機するための部屋では実験者の男子学生が待っており、女子学生と15分程女子学生の自己肯定感を上げるような雑談をしました。
その後実験者がそれぞれのグループの女子学生に対しポジティブなテストの結果と、ネガティブなテストの結果を提示し、実験者や男子学生を含む計5人についての好意について質問をしました。
その結果ポジティブな結果を受けた女子学生よりもネガティブな結果を受けた女子学生の方が、男子学生に対して好意を持つ結果となりました。
このことから、人は自尊心が低下している時に人を好きになりやすい傾向にあると考えられます。
人は心が弱っている時に人を好きになりやすいとお話ししてきましたが、現代社会には失恋に限らず、仕事や友達付き合いなど、楽しい反面ストレスの要因となり得るものが数多く存在しています。
落ち込んだ時に善意で支えとなってくれる人もたくさんいますが、傷心の時を狙ってつけ込もうとする下心を持った方もいるでしょう。
落ち込んだ時の優しさは咄嗟にしがみつきたくなると思われますが、一度冷静になり、相手が信頼に値する人物か見極めることも大切です。