能力がない人間ほど自信満々に振る舞う訳【ダニング・クルーガー効果】
2020.7.19
能力がない人間ほど自信満々に振る舞う訳【ダニング・クルーガー効果】

こんにちは。

突然ですが、皆様の学校や職場に能力が低いにも関わらず、自信たっぷりな人はいませんでしたか。

漫画や現実問わずに自分の能力以上のことが出来ると信じてやまない人は、私の経験上どの組織にも必ず1人はいる印象です。

「人が勝手に自信家になっているだけだからいいのでは?」という意見もありますが、自身の能力を正しく把握できない人物がいると様々な問題も生じます。

能力の低さ=自信家のダニング・クルーガー効果とは

ダニング・クルーガー効果はデビッド・ダニング、ジャスティン・クルーガーにより提唱された、能力の低い人ほど客観的な評価より自己評価が高くなり、能力の高い人ほど客観的な評価より自己評価が低くなるという認知バイアスです。

自信満々なことを口にするので仕事を任せてみたら、期待していたよりも仕事ができなかったり、こちらの指示に対しても分かったといいつつも全く内容を理解していないなど、学校、職場問わず、どのような場合でも周りに迷惑が掛かる傾向があります。

これは能力の低い人はそもそも、自身の能力も正しく把握することが出来ないと考えられています。

物事を理解する能力の低さから、自身のことすらも正しく理解できないため、自身の能力が低いという事実にも気付くことが出来ないのです。

逆に能力の高い人は、自分にとって簡単な作業は他の人にとっても簡単であると考えてしまい、「人が出来ることしか出来ない」と自身の過小評価に繋がっていると考えられています。

ダニング・クルーガー効果に関する実験

デビッド・ダニング、ジャスティン・クルーガーはこの仮説を実証するために、ユーモアや、理論的思考、英文法など様々な分野に関するテストを実施し、被験者の自己認識について調査をしました。

全てのテスト結果が出た後に、被験者にはテストの結果を開示せずに、自身がどの程度の点数であったかを質問しました。

結果、テストのスコアが高い人ほど自分は出来ていない、テストのスコアが低い人ほど、自分は出来ていると自己評価をする結果となりました。

このことから能力の低い人は、自身の能力も正しく把握することが出来ず、能力の高い人は自身の能力を過小評価する傾向にあることが分かりました。




ダニング・クルーガー効果に陥らないためには

能力が高い人が過小評価をする分には、少なくとも周りには迷惑がかかりづらく、大きな問題になることは少ないでしょう。

問題は能力が低いにも関わらず、自分は出来る人間と思っている人の方です。

自分を客観的に評価をすることが難しいため、認識と現実に差異が出てしまい、仕事や人間関係に悪影響が出ることでしょう。

本人は分かったつもりでいるので、物事を積極的に学ぶ姿勢も失われてしまうため、改善は難しいと考えられています。

自信を持つことは大切ですが、重要なのは自信を持ちながらも、同時に自分の至らなさも認める謙虚さを持つことです。

他人からのアドバイスにもきちんと耳を傾けるようにすれば、自己評価と実際のズレも防ぐことができますので、心当たりがある方は、謙虚な姿勢で物事に取り組むようにするのが良いでしょう。

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